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BLOGよくわかる解体工事ガイド

ビルの解体工事はどうやるの?手順、費用、工期、工法をまとめて紹介

ビルの解体工事は、一般的な住宅の解体と比べて、費用も工期も大きくなります。事故のリスクも大きくなるため、費用以上に、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
この記事では、ビルを解体する流れ、必要な届け出、費用と工期の目安、よく使われる技法と解体方法を、図や表でわかりやすく紹介します。発注する側でも、工事の全体像をつかんでおくと、業者を見極めるヒントになります。

この記事でわかること

  • ✔ ビル解体の流れ(10ステップ)と、着工前に必要な届け出
  • ✔ ビル解体を任せられる業者の見分け方
  • ✔ 構造別(S造・RC造・SRC造)の費用と工期の目安
  • ✔ ビル解体で使われる4つの技法と5つの解体方法

ビルを解体する流れ

この章のポイントビル解体は10ステップで進みます。戸建てとの違いは、届け出と設備の整理が増えることです。

ビルの解体工事の現場

ビル解体の流れ10ステップ:相談、現地調査・見積もり、業者選定・契約、各種届け出、ライフライン停止、足場・養生、解体工事、廃棄物の処分、現場確認、滅失登記など

ビル解体の大まかな流れは上の図のとおりです。工事の規模は違っても、基本的な流れは戸建ての解体工事と同じです。

POINTテナントや設備の整理は早めに

ビルの場合、電気・ガス・水道のほか、エレベーターや受水槽、通信設備などの停止・撤去の手配も必要になります。入居者の退去や設備の停止の時期は、見積もりの段階から業者と共有しておくと、工事がスムーズに進みます。

戸建ての解体工事の流れは、こちらの記事でくわしく解説しています。
(関連記事:「解体工事が初めての方へ|全体の流れと業者の選び方、届け出についてなど」)

着工前に必要な主な届け出

この章のポイント着工前に必要な4つの届け出と、誰が・いつまでに出すのかがわかります。

ビル解体では、着工前にいくつもの届け出が必要です。多くは業者が代行しますが、発注者が届け出の義務を負うものもあるので、誰が何を出すのかを確認しておきましょう。

届け出対象・期限ポイント
建設リサイクル法の届出解体部分の床面積80㎡以上/着工の7日前まで届出の義務は発注者にあります(業者が代行するのが一般的)
石綿(アスベスト)事前調査結果の報告解体部分の床面積80㎡以上/着工前有資格者による事前調査が必要。労働基準監督署と自治体へ報告
特定建設作業実施届出ブレーカーなど大きな騒音・振動が出る作業/作業開始の7日前まで元請業者が届け出ます(名古屋市の場合は各区の公害対策課へ)
建物滅失登記解体後1か月以内建物の所有者が法務局へ申請します

※このほか、道路を使う作業がある場合の許可など、現場によって必要な手続きが変わります。

ビルの解体工事を請け負える業者は限られる

この章のポイントビル解体を任せられる業者の条件(建設業許可)と、その確かめ方がわかります。

解体工事で使う重機

ビルの解体工事は、どの解体業者でも請け負えるわけではありません。1件の工事代金が500万円以上(税込)の解体工事を請け負うには、建設業許可(解体工事業)が必要だからです。ビルを丸ごと解体すると、多くの場合この金額を超えます。

工事の金額業者に必要なもの
500万円以上(税込)建設業許可(解体工事業)
500万円未満(税込)解体工事業の登録(土木工事業・建築工事業・解体工事業のいずれかの建設業許可があれば登録は不要)

建設業許可があるかどうかは、業者のホームページの「会社概要」などで確認できます。許可を持っている業者なら、許可をした都道府県と許可番号が書かれているはずです。念のため、都道府県が公開している建設業許可の名簿で確認しておくと安心です。

建商の許可番号

建商の許可番号「第105933号」は、愛知県の建設業許可名簿でご確認いただけます。

ビルの解体工事にかかる費用の目安と工期

この章のポイントS造・RC造・SRC造ごとの費用と工期の目安、費用が上がりやすいケースがわかります。

鉄筋コンクリート造のビル

ビルの解体費用と工期は、建物の構造と大きさ、立地によって変わります。まずはビルの構造の違いを見てみましょう。

構造どんな建物?主な用途
鉄骨造(S造)柱や梁に鉄骨を使った建物。ビルでは鋼材の厚い「重量鉄骨造」がほとんど中低層のビル、店舗、倉庫など
鉄筋コンクリート造(RC造)柱・梁・床・壁を鉄筋とコンクリートでつくった建物。防音性・耐火性が高い中規模のビル、マンションなど
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)S造とRC造を組み合わせた、もっとも頑丈な構造高層ビル、高層マンションなど

建物の強さは「SRC造 > RC造 > S造」の順で、壊しにくい分、解体費用もおおむねこの順番で高くなります。

解体費用の目安(1坪あたり)

構造坪単価の目安
S造約3.5万〜7万円
RC造約4万〜10万円
SRC造約4.5万〜9万円

※複数の解体費用の情報サイトが公表している目安をもとにした参考値です。サイトによって金額に幅があり、アスベスト除去や杭の撤去などは含みません。

POINT費用が高くなりやすいケース

  • ・アスベストを含む建材がある:飛散防止の対策が必要になり、費用がかさみます
  • ・基礎杭を抜く必要がある:杭は完全に抜かず、邪魔にならない深さで切るだけにする場合もあります
  • ・道路が狭い・隣の建物が近い:使える重機が限られ、手間が増えます
  • ・人件費の上昇:国が公表する工事の人件費の目安(公共工事設計労務単価)は、2026年3月の改定で前年度比4.5%上がり、14年連続の引き上げになっています

アスベストが心配な方は、こちらの記事もご覧ください。
(関連記事:「解体工事で建物にアスベストが使われていたら?除去の流れや費用目安を紹介」)

工期の目安

構造50坪100坪
S造10〜15日20〜30日
RC造15〜20日30〜40日
SRC造20〜30日60〜80日

これは、使える重機に制限がなく、工事が順調に進んだ場合のおおよその工期です。天候や予想外のトラブルで延びることがあります。また、着工前の届け出(7日前までのものが多い)やアスベストの事前調査の期間も、別に見ておく必要があります。

ビル解体で使われる4つの技法

この章のポイント現場でよく使われる4つの技法と、それぞれの特徴がわかります。

ビル解体でよく使う4つの技法:油圧圧砕、油圧ブレーカー、ワイヤーソーイング、フラットソーイング

現地調査の結果をもとに、これらの技法を組み合わせてビルを解体します。

油圧圧砕

ショベルに爪の形をした圧砕機を取り付け、鉄骨やコンクリートをはさんで砕く技法です。コンクリート解体の主流で、3階建てくらいの小さなビルなら、油圧圧砕だけで解体することもあります。

油圧ブレーカー

ショベルに先のとがったブレーカーを取り付け、振動でたたき割る技法です。油圧圧砕と同じく、解体現場でよく使われます。大きな騒音・振動が出るため、前に紹介した特定建設作業の届け出が必要になることがあります。

ワイヤーソーイング

ダイヤモンドの粒を付けたワイヤーを部材に巻き付け、高速で回して切る技法です。コンクリートの中の鉄骨や鉄筋もいっしょに切断できます。水中や高い場所でも使える一方、ワイヤーの維持費がかかるため、費用はやや高めです。

フラットソーイング

円盤状のダイヤモンドブレードを回して、コンクリートを切っていく技法です。床のような水平な部分の解体によく使われます。切り口がきれいで振動も少ないため、リフォームなどの部分解体でも活躍します。

ビルの解体方法

この章のポイント5つの解体方法と、それぞれに向いている現場がわかります。

ビルの解体作業

ビルの解体方法にも、代表的なものが5つあります。ほかにも、大手ゼネコンが独自の工法を開発しています。なお、法律の規制が厳しく建物が密集している日本では、海外のようにダイナマイトでビルを解体することはありません。

解体方法やり方向いている現場
地上解体地上に大型の重機を置き、外側から壊していく重機を置く場所がある中低層のビル(アームの長い重機なら7〜8階程度まで)
階上解体クレーンで重機を屋上に上げ、上の階から下へ壊していく繁華街やオフィス街など、周りに重機を置けない場所
ブロック解体最上階にタワークレーンを置き、部材をブロックごとに切って下ろす高層ビル、重機を置く場所がない現場
だるま落とし式解体最下部をジャッキで支え、下から1階ずつ解体する(カットダウン工法)高層ビル。粉じんや騒音が出にくく、景観も損ないにくい
上部閉鎖式解体上の階に移動できる解体設備を置き、囲った中で上から順に解体する高層ビル。粉じん・騒音・落下物のリスクを抑えたい現場

ビルの規模や立地に合わせて、これらの方法から最適なものを選びます。

よくある質問

Q基礎杭は必ず抜かないといけませんか?

A必ずではありません。跡地の使い方によっては、完全に抜かずに、邪魔にならない深さで切るだけにすることもあります。費用にも大きく関わるので、跡地の予定とあわせて業者に相談してください。

Q相談してから着工まで、どのくらいかかりますか?

A現場によって違いますが、現地調査、アスベストの事前調査、各種届け出(着工の7日前までのものが多い)が必要です。入居者の退去や設備の停止の時期も含めて、余裕を持って相談するのがおすすめです。

Q近所への説明はどうすればいいですか?

Aビル解体は工期が長く、騒音や振動、工事車両の出入りも多くなります。着工前のあいさつや工事の案内について、業者がどこまで対応してくれるかを見積もりの段階で確認しておくと安心です。

まとめ

この記事のまとめ

  1. ビル解体の流れは戸建てと同じ。ただし、着工前の届け出(多くは7日前まで)と設備の整理が増える
  2. 500万円以上の解体工事には建設業許可(解体工事業)が必要。許可番号は都道府県の名簿で確かめられる
  3. 費用と工期は構造(S造<RC造<SRC造)と立地で大きく変わる。現地調査にもとづく見積もりで比べる

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ビル解体の業者選び3つのチェック:建設業許可があるか、構造に合う重機・実績、廃棄物を正しく処理するか

ビルの解体にはさまざまな方法があり、規模や立地に合わせて最適なものが選ばれます。流れは戸建ての解体と同じでも、費用・工期・事故のリスクは戸建てより大きくなります。だからこそ、安心して任せられる業者かどうかが何より大切です。業者の対応やこれまでの実績を確認して、信頼できる業者を選びましょう。

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