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解体工事で建物にアスベストが使われていたら?除去の流れや費用目安を紹介

最終更新日:2026年10月
はじめに
こんなお悩みはありませんか?
✔古い家にアスベストが使われていないか心配
✔解体の前に何を調べればいいのか分からない
✔除去にどれくらい費用がかかるのか知りたい
⚠ ルールは年々きびしくなっています
アスベストは、解体のときに飛び散って吸い込むと、何十年もあとに肺の病気を引き起こすおそれがあります。そのため今は法律で「解体前の調査」や「除去のしかた」が細かく決められています。
最近始まったルール
調査結果の報告
2022年4月〜
一定規模以上の工事で義務に
資格を持つ人による調査
2023年10月〜
建物の解体・改修で必須に
この記事では、アスベストが使われているかもしれない建物を解体するときの流れや費用の目安、施主(発注者)がやるべきことを、最新のルールにそってわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- ✔ 解体前に必ず必要な「アスベスト事前調査」の内容
- ✔ アスベストが使われている可能性が高い建物・建材
- ✔ アスベストのレベル別の対応と、解体の流れ
- ✔ 除去費用の目安と、使える補助金
- ✔ 施主(発注者)の義務と罰則
解体工事の前にはアスベスト使用有無の調査が必要
この章のポイント建物の大きさに関係なく、すべての解体工事で事前調査が必要です。
大気汚染防止法と石綿障害予防規則により、建物を解体・改修するときは、工事の元請業者がアスベストの有無を事前に調査しなければなりません。木造の一戸建てや小さな倉庫の解体も対象です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 誰が調べる? | 工事の元請業者(調査そのものは資格を持つ人が行う) |
| いつ? | 工事を始める前 |
| どうやって? | 設計図書などの書類の確認と、現地での目視。判断できない建材は分析するか、「アスベストあり」とみなして対策をとる |
| 報告 | 一定規模以上の工事は、国の「石綿事前調査結果報告システム」で報告 |
| 記録・掲示 | 調査の記録を3年間保存し、結果の概要を工事現場の見やすい場所に掲示 |
| 工事の種類 | 調査結果の報告が必要になる規模 |
|---|---|
| 建物の解体 | 解体する部分の床面積の合計が80㎡以上 |
| 建物の改修(リフォームなど) | 請負金額が税込100万円以上 |
| 工作物の解体・改修 | 請負金額が税込100万円以上(対象の工作物のみ) |
※報告がいらない規模の工事でも、事前調査そのものは必要です。
最新情報資格を持つ人による調査が必須になりました
- ・建物:2023年10月1日以降に着工する工事から、「建築物石綿含有建材調査者」などの資格を持つ人が調査(一戸建て住宅などは「一戸建て等石綿含有建材調査者」でも可)
- ・工作物:2026年1月1日以降に着工する工事から、「工作物石綿事前調査者」などの資格を持つ人が調査

2006年9月以前に建てられた家は注意
2006年(平成18年)9月1日から、アスベストを0.1%を超えて含む製品の製造や使用が禁止されました。そのため、それより前に着工した建物には、アスベストを含む建材が使われている可能性があります。
とくに1975年ごろまでは、鉄骨の耐火被覆などに「吹付けアスベスト」が多く使われていました。一方、着工日が2006年9月1日以降であることを書類で確認できれば、その確認をもって調査とすることができます。

アスベスト含有建材が使用されていないかも確認しておこう
アスベストを含む建材は、発じん性(飛び散りやすさ)によって3つのレベルに分けて呼ばれています。戸建て住宅でよく見つかるのは、スレート屋根や外壁材、床のビニルタイルなどの「レベル3」の建材です。
| レベル | おもな建材の例 | 飛び散りやすさ |
|---|---|---|
| レベル1 | 吹付けアスベスト(鉄骨の耐火被覆、天井・壁の吹付けなど) | 著しく高い |
| レベル2 | アスベストを含む保温材・断熱材・耐火被覆材(配管の保温材、煙突の断熱材など) | 高い |
| レベル3 | スレート屋根・外壁、ケイ酸カルシウム板、床のビニルタイル、外壁の仕上塗材など | 比較的低い |
※「レベル」は法律の用語ではなく、行政や業界で使われている呼び方です。
お家にどんな建材が使われているかは、国土交通省・経済産業省の「石綿(アスベスト)含有建材データベース」で、製品名やメーカー名から調べることができます。ただし、最終的な判断は資格を持つ調査者が行います。

解体予定の建物にアスベストを使用されていたら?
この章のポイントアスベストのレベルによって、届け出と作業のしかたが変わります。
発塵レベルに合わせて対応する
| レベル | 届け出 | おもな作業方法 |
|---|---|---|
| レベル1 | 作業開始の14日前までに、発注者が「特定粉じん排出等作業実施届出」を提出 | 作業場所をシートで隔離し、中の空気を外に漏らさない状態(負圧)にして、湿らせながら除去 |
| レベル2 | レベル1と同じ届出が必要 | レベル1に準じて、隔離などの対策をとって除去 |
| レベル3 | 作業実施届出は不要 | 湿らせて、できるだけ割らずに手作業で取り外す(仕上塗材は決められた方法で除去) |
どのレベルでも、作業する人には特別教育が必要で、現場には「石綿作業主任者」を置くことになっています。
アスベストが使われている建物を解体する流れ
| STEP | やること |
|---|---|
| 1 | 事前調査(書類の確認・目視、必要に応じて分析) |
| 2 | 調査結果の報告と、現場への掲示 |
| 3 | レベル1・2がある場合は、作業開始の14日前までに届出。近隣へのお知らせ |
| 4 | 建物を壊す前に、アスベストを含む建材を先に取り除く |
| 5 | 取り残しがないかを、必要な知識を持つ人(調査者や石綿作業主任者など)が目で見て確認 |
| 6 | 建物の解体と、アスベストを含む廃棄物の適正な処分(マニフェストで管理) |
アスベストが見つかると、届出の期間や除去作業のぶん、工期が延びたり費用が上がったりします。解体の日程は、余裕をもって組んでおきましょう。
アスベスト除去費用の目安
この章のポイント面積が小さいほど、1㎡あたりの単価は高くなります。
国土交通省は、吹付けアスベストの除去費用について、次のような目安を公表しています。
| 処理する面積 | 除去費用の目安(1㎡あたり) |
|---|---|
| 300㎡以下 | 2.0万円〜8.5万円 |
| 300㎡〜1,000㎡ | 1.5万円〜4.5万円 |
| 1,000㎡以上 | 1.0万円〜3.0万円 |
※国土交通省が公表している、平成19年(2007年)の実績をもとにした目安です。人件費や処分費の上昇により、現在の費用とは差がある可能性があります。
戸建て住宅に多いスレートなどレベル3の建材は、量や状態、取り外しの手間によって費用が大きく変わります。また、分析が必要な場合は分析費用もかかります。正確な金額は、現地調査のうえで見積もりを出してもらいましょう。
解体費用全体の目安は、こちらの記事で解説しています。
(関連記事:「家の解体費用の相場はどれくらい?内訳や安くする方法をご紹介!」)

吹付けアスベストの調査・除去は補助金制度もある
この章のポイント補助金は自治体ごとに条件が違い、契約前の申請が必要です。
吹付けアスベストなどの調査や除去には、自治体の補助金が使える場合があります。たとえば、名古屋市と岐阜市では次のような制度があります。
| 自治体 | 調査 | 除去など | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 名古屋市 | 費用の全額(上限15万円) | 費用の2/3(上限120万円) | 解体する予定の建物は対象外 |
| 岐阜市 | 費用の全額(上限9万円) | 費用の2/3(上限200万円) | 解体にともなう除去も対象。令和8年度の受付は5月7日〜10月30日(先着順・予算に達し次第終了) |
※2026年10月時点で各市の公式サイトに掲載されている内容です。対象となる建材や条件は自治体ごとに異なり、年度によって変わることもあります。必ず各市の窓口で確認してください。
くわしくは「名古屋市:民間建築物吹付けアスベスト対策補助」「岐阜市:民間建築物吹付けアスベスト対策補助事業」をご覧ください。

アスベスト調査への協力や届出は発注者の義務
この章のポイント施主(発注者)にも、法律で決められた役割があります。
| 発注者の役割 | 内容 |
|---|---|
| 事前調査への協力 | 設計図書を渡すなど、調査に必要な情報を伝える |
| 費用・工期への配慮 | 調査や除去が正しく行えるよう、費用や工期について配慮する |
| 作業実施届出 | レベル1・2の除去などがある場合、作業開始の14日前までに届け出る(名古屋市では区役所の公害対策担当が窓口) |
届出書の作成は業者がサポートすることが多いですが、届け出の義務を負うのは発注者です。提出されたかどうかは、控えなどで確認しておきましょう。
⚠ 違反したときの罰則(大気汚染防止法)
- ・作業実施届出をしなかった場合など:3か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金
- ・事前調査の結果を報告しなかった・うその報告をした場合:30万円以下の罰金
- ・作業基準を守るようにという命令に違反した場合:6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
※2025年6月1日から、「懲役」は「拘禁刑」に変わりました。
発注者向けの説明は、厚生労働省の「石綿総合情報ポータルサイト(発注者・施主の方へ)」にもまとめられています。
よくある質問
まとめ
この記事のまとめ
- 解体前のアスベスト事前調査は、すべての解体工事で必要。2023年10月からは資格を持つ人の調査が必須
- 2006年9月以前に着工した建物は、アスベストを含む建材が使われている可能性がある
- レベル1・2の除去は、発注者が14日前までに届出。届出をしないと罰則がある
- 吹付けアスベストには補助金が使える場合もあるが、条件は自治体ごとに違う
アスベストが使用されている建物の解体なら建商へ

建商では、解体前のアスベスト事前調査から必要な届け出、解体後の廃棄物の処理まで、法令にそって工事を進めます。「うちの家は大丈夫?」「調査にどれくらいかかる?」といった疑問にも、お見積もりの際にわかりやすくお答えします。
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