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BLOGよくわかる解体工事ガイド

事故・トラブルに備えて解体工事で損害賠償保険の加入は必要?

事故・トラブルに備えて解体工事で損害賠償保険の加入は必要?

最終更新日:2026年10月

はじめに

こんなお悩みはありませんか?

✔工事中に隣の家を傷つけたら、施主が責任を負うの?

✔施主も損害賠償保険に入っておくべき?

✔業者が保険に入っているか、どう確認すればいいかわからない

⚠ 保険に入っていても、すべてが補償されるわけではありません
業者が入る賠償責任保険は、重機や足場による突発的な事故が主な対象です。工事の騒音やほこりによる苦情は、補償の対象外になりやすいため、事前の対策も大切です。

知っておきたい2つのポイント

施主の賠償責任

原則なし

注文・指図に過失があれば例外

業者の賠償責任保険

法律上の義務ではない

だから契約前の確認が大切

※民法709条・716条による考え方です

この記事では、解体工事の事故と損害賠償の責任の考え方、業者の保険のチェック方法、トラブルになったときの相談先を紹介します。

建物の解体工事では、重機や足場を使うため、思わぬ事故が起きることもあります。「万が一のときは、施主として責任を問われるのでは?」「自分も損害賠償保険に入っておいたほうがいい?」と心配される方も少なくありません。

結論からいうと、工事のミスによる損害は原則として解体業者が負うため、施主が損害賠償保険に入る必要は基本的にありません。そのかわり、十分な保険に入っている業者を選ぶことがとても大切です。

この記事でわかること

  • ✔ 解体工事の事故で、施主が責任を負うケースと負わないケース
  • ✔ 解体業者が入る保険の種類と、補償されにくい損害
  • ✔ 契約前にチェックしたい保険と契約書のポイント
  • ✔ 近隣トラブルや業者とのトラブルの相談先

解体工事で施主が損害賠償保険に加入する必要はない

この章のポイント民法では、工事のミスによる損害は原則として業者の責任です。

解体工事の事故で損害賠償を請求されるイメージ

重機の転倒や足場の倒壊、落下物など、解体工事には事故のリスクがあり、場合によっては損害賠償に発展します。とはいえ、工事を頼んだ施主が、業者のミスの責任を負うことは原則としてありません。民法では、次のように定められています。

民法709条(不法行為による損害賠償)

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

つまり、解体業者のミスで近所の家や通行人に被害を与えた場合、責任を負うのは解体業者です。さらに、注文者(施主)の責任について、次のような規定もあります。

民法716条(注文者の責任)

注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負わない。ただし、注文又は指図についてその注文者に過失があったときは、この限りでない。

ただし書きにあるとおり、施主の注文や指示に過失があった場合は、施主が責任を負うことがあります。たとえば、次のようなケースです。

解体工事中の事故の責任:原則は解体業者の責任(民法709条)。施主が無理な指示をした場合などは施主の責任になることも(民法716条ただし書き)

  • ・「安くしたい」「急いでいる」などの理由で、無理な工法や工期を指示した
  • ・悪天候の中でも工事を進めるよう強く求めた
  • ・隣の家から「外壁にひびが入りそう」などの連絡を受けていたのに、業者に伝えなかった

安全に工事を進めるために、施主にも協力が求められることを覚えておきましょう。

参考:民法(e-Gov法令検索)

解体業者の損害賠償保険の加入状況をチェックしよう

この章のポイント保険の「有無」だけでなく、「中身」まで確認しましょう。

第三者に損害を与えて賠償が必要になったときは、原則として解体業者が入っている保険で対応します。ところが、建設業者の賠償責任保険への加入は、法律上の義務ではありません。

なお、2020年10月から、建設業許可を受ける・更新する条件として社会保険(健康保険・厚生年金保険・雇用保険)への加入が必要になりました。ただし、これは従業員のための保険で、近隣への損害を補償する保険とは別のものです。

参考:国土交通省:建設業許可における社会保険加入の要件化

損害賠償保険の種類

解体業者が入る主な保険は、次のとおりです。

保険の種類主な補償の内容
請負業者賠償責任保険工事中の事故で、他人にけがをさせたり、物を壊したりしたときの賠償。年間契約(会社単位)と、工事ごとの契約がある
生産物賠償責任保険(PL保険)工事が終わって引き渡したあとに、工事の結果が原因で起きた事故の賠償
自動車保険トラックや重機などの車両による事故の賠償
労働災害総合保険など作業員が工事中にけがをしたときの補償(国の労災保険の上乗せ)

※保険の名前や補償の範囲は、保険会社や契約内容によって異なります。なお「建設工事保険」は工事中の建物などの損害に備える保険で、解体工事は対象外としている保険会社もあります。

保険の内容を確認する

依頼する前に、担当者に次の3つを聞いておきましょう。

  • ・賠償責任保険に入っているか
  • ・保険の種類と、補償される範囲
  • ・1回の事故で支払われる上限額(対人・対物)

説明を受けたうえで、できれば保険証券の写しを見せてもらいましょう。施主が工事に不安を感じるのは当然のことです。誠実な業者なら、快く対応してくれるはずです。

契約前に確認したい保険と契約書の4つのポイント:賠償責任保険への加入、補償範囲と上限額、第三者への損害の負担の定め、工事内容・金額・工期の書面化

契約書の「瑕疵担保責任・損害賠償」項目も要確認

保険とあわせて、契約書の内容も確認しておきましょう。建設業法19条では、工事の請負契約書に記載すべき事項として、第三者が損害を受けた場合の賠償金の負担や、工事の結果が契約内容に合わない場合の責任(契約不適合責任)の定めなどが挙げられています。

「業者の責任で近隣など第三者に損害を与えた場合は、業者が賠償する」といった内容が書かれているかを確認し、なければ追記をお願いしましょう。口約束ではなく、書面で残すことが大切です。そもそも契約書を交わさない業者には、依頼しないほうが安心です。

※2020年4月の民法改正で、以前の「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に変わりました。

参考:建設業法(e-Gov法令検索)、法務省:民法(債権法)改正

保険未加入の業者もいる

解体業者のなかには、保険に入っていなかったり、入っていても補償額や範囲が足りなかったりする業者もいます。いくら法律上は業者の責任でも、業者に支払う力がなく、賠償が進まなければ、近隣との話し合いが施主に回ってくることもあります。

保険に入っていれば絶対に安心、とまではいえませんが、十分な保険に入っている業者から選ぶようにしましょう。

依頼した後で保険未加入の解体業者だとわかったら…?

すでに契約したあとで、業者が保険に入っていないとわかった場合は、その工事を対象とする保険に入ってもらえないか相談してみましょう。保険料の負担について話し合う必要はありますが、万が一のときに自分の身を守ることにもつながります。

近隣への配慮は忘れずに

この章のポイント保険でカバーしにくいトラブルこそ、事前の対策が大切です。

住宅が建ち並ぶ住宅街

解体工事では、騒音や振動、ほこりがどうしても発生します。まったく迷惑をかけない解体工事は難しいからこそ、事前の対策が大切です。

粉塵・騒音は保険適用外

一般的な請負業者賠償責任保険では、工事の騒音や、ほこり(突発的な事故によるものを除く)による損害は、補償の対象外とされていることが多いです。基礎や掘削の工事による振動・地盤沈下も、特約をつけないと補償されない場合があります。

請負業者賠償責任保険で補償されやすいもの(重機や足場、落下物による事故)と、補償されにくいもの(騒音、ほこり、掘削などによる振動・地盤沈下)

たとえば、工事のほこりで隣の家の車が汚れたといった苦情は、保険では解決しにくいものです。次のような事前の対策が欠かせません。

  • ・工事前にきちんとあいさつをして、工事への理解を得る
  • ・防音シートや養生シートで工事現場を囲う
  • ・水をまきながら作業して、ほこりの飛散を抑える
  • ・工事前に、隣の家の外壁などの状態を写真で残しておく

施主の努力だけでは対策しきれない部分も多いので、近隣への配慮ができる業者を選ぶことが大切です。

施主としての対応が求められることも…

事前に対策をして、あいさつ回りをしていても、トラブルが起きてしまうことはあります。責任は業者にあっても、施主のもとに直接苦情が届くこともあるでしょう。

「すぐに迷惑料を払え」などと強く言われても、事実を確認するまではその場で約束せず、まずは業者に相談してください。

近隣トラブルの対処法は、こちらの記事でくわしく解説しています。
(関連記事:「解体工事で隣の家からクレーム?発生しやすいトラブル例と対処法」)

もしも解体工事業者とトラブルになったら?

この章のポイント困ったときは、ひとりで抱え込まずに相談しましょう。

悪質な業者に依頼してしまうと、万が一のときに「連絡がつかない」「いつまでも対応してくれない」といった深刻なトラブルになることもあります。そのようなときは、次の窓口に相談してみましょう。

相談先内容
消費者ホットライン(188)近くの消費生活センターなどの相談窓口につながる
法テラス・サポートダイヤル(0570-078374)法的なトラブルの解決に役立つ制度や相談窓口を案内してくれる
弁護士損害賠償の請求など、具体的な法律相談ができる

相談するときは、契約書や見積書、やり取りの記録が大切な証拠になります。工事の内容や約束ごとは、必ず書面で残しておきましょう。

よくある質問

Q施主も、工事のために保険に入ったほうがいいですか?

A業者のミスによる損害は、原則として業者が責任を負うため、施主が新たに保険に入る必要は基本的にありません。そのかわり、業者が十分な保険に入っているかを確認しましょう。

Q工事のあと「家にひびが入った」と言われたら?

Aその場で約束はせず、まず業者に連絡して、いっしょに状況を確認してもらいましょう。工事前に隣の家の外壁などを写真で残しておくと、話し合いがスムーズになります。

Q保険証券を見せてほしいと頼んでも失礼ではありませんか?

A失礼ではありません。高額な工事を任せる以上、確認するのは当然のことです。誠実な業者なら、快く対応してくれるはずです。

まとめ

この記事のまとめ

  1. 工事のミスによる損害は、原則として解体業者の責任(民法709条)
  2. 施主も、無理な指示をした場合などは責任を負うことがある(民法716条)
  3. 業者の賠償責任保険は法律上の義務ではない。契約前に保険証券で確認する
  4. 騒音・ほこりは保険の対象外になりやすい。事前の対策が大切
  5. トラブルのときは、消費者ホットライン(188)などに相談

安心の解体工事なら建商まで

解体工事の事故やトラブルは、原則として解体業者が責任を負います。ただし、保険に入っていない業者や、補償が十分でない業者もいるため、保険の加入状況と契約内容は、依頼する前に必ず確認しておきましょう。

建商では、万が一の場合は加入している賠償責任保険で責任をもって対応します。また、近隣への配慮を徹底し、これからもその土地に住まわれる方のことを考えた解体工事を行います。

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